資料・遼寧省の日本中小企業とのマッチング計画

遼寧省は今、中小企業の育成に努めると同時に、外国の中小企業との交流と誘致に力を入れています。この中小企業育成のための遼寧省のプログラムを紹介します。

(「日中東北」20026月号より転載、作成者:遼寧省人民対外友好協会副会長陳鉄城)

 

中小企業の概念

 1.経済体制改革後、市場経済の健全化と発展により中小型民間企業が出現した。

 2.近代的な経済体制が確立した後に、大型企業を取り巻く中小企業が形成された。

 3.中小企業には第1、第2、第3次の全ての産業、IT産業に代表されるハイテク技術の開発研究や製品生産の分野へも参入している。しかしながら、現在の中小企業の概念からすると、その多くは第2次産業の加工業の分野である。

 4.中小企業と民間企業の経営メカニズムは柔軟である。我が省の経済成長が著しい企業群を対外的な経済貿易協力の新たな力となすべきだ。

二、我が省の中小企業と日本とのマッチングの可能性の分析

 1.第1次産業の中小企業(農産物加工、花卉、海産物、養殖、食用菌の生産及び食品加工、漢方薬の原料加工)

  A.日本市場の潜在力は大きく、価格的にも明らかに有利である。我が省の労働コストが優位であることが、製品に競争力をもたらす。

  B.問題点

   @我が省の製品、規模、品質、品目の優位性が不明瞭である。

   A日本市場の卸売価格、小売価格への理解が足りない。

   B日本の第1次産業の経営者との交流が少ない。

   C長期的な戦略的計画が立っていない。特に第1次産業と日本市場の結合に対して全体的ビジョンがない。

  C.問題解決に向けての提言

   @長期的な協力関係に立脚して、日本市場を理解する。

   A価格及び日本関連政策の調査を行い、第1次産業の対日輸出重点分野を確定する。

   B日本の農業関係の企業と協力し、卸売業との関係を作り上げる。

   C農業モデル地区・水産物地区を建設する過程で、安定的な対日輸出基地を作る。

   D自然食品・安全な食品を主力とし、我が省の対外輸出の優位性となす。

  D.機会

   @遼寧省の疾病未汚染、無公害地区の建設に力を入れる。

   A展示商談会を行い、我が省の農業分野の優位性を紹介し、企業を誘致する。

 2.第2次産業の中小企業(加工業)

  A.日本は市場としては比較的小さいが、第3国市場、中国国内市場(日系企業とのセットでの)の潜在力は非常に大きい。相対的に労働力のコストは日本に比べて低く、協力できる可能性のある分野は広い。このことは、古くからの工業地帯としては、時代の趨勢として、必ずつかむべきチャンスである。日本の90%以上の加工製造業は海外へ生産移転、移転せざるを得ない状況で空洞化が進み、日中双方の中小企業の協力分野を得た。日本独特の製品、技術を持つ企業の存在空間は狭く、外への移転が必然的となってくる。我が省は、まさに彼らが新たに国際的に存在するための理想の地である。

  B.問題

   @我が省の歴史から見ると、民営企業と中小企業はさほど発展しておらず、経験も少ない。特に民営企業と中小企業の置かれている外的環境は長江、珠江デルタ地帯には及ばない。

   A我が省では零字進入(進出する際、登録料などの費用がかからない方式、南方の都市のやり方)の条件が整っていない。

   B我が省の加工業は、日本の大企業の技術・部品の要求に対する理解が不足している。

   C中国国内の他の地区と比較して、コスト的メリットがはっきりしない。

   D中小企業自身の対外関係が少なく、外国とのレベルに差があり、国際競争力意識と必要な情報が乏しい。

  C.問題解決に向けての提言

   @日本の中小企業密集地である神奈川県、富山県、大阪地区、九州地区とのマッチング体制を形成する。(これらの地区の中小企業とその関連する大企業との関係は、我が省の加工業と中小企業との関係に似ている。)

   Aインターネットなどの手段を利用して、上述の地区との関係を構築すると同時に、中小企業を組織して、ネット上で投資誘致を行う。最初は点と点、最終的には全省の中小企業の権威ある情報ネットワークを作り上げる。

   B日本経済産業省が、瀋陽市を中小企業モデル都市に指定した機会を利用し、政府の影響を通して、相互の協力を進める。

   C先導地区および瀋陽の鉄西区等の古くからの工業地区は、南方零字進入方法(進出の際に登録料等の費用が一切かからない方式)の研究に力を入れ、南方地区との距離を密にする。

   D我が省に既に進出している日本大企業の調査を行い、省内企業での部品の生産を計画する。

 D.時期

   @7月中旬、瀋陽市中小企業訪日団を組織する。

   A7月下旬、日本中小企業団体連合会幹部を招請する。

   B9月中旬、大阪地区の中小企業を訪問する。

   C10月中旬、省内の中小企業を組織して、富山県の展示商談会に参加する。

   D5月下旬、国際ネットワークを駆使し、広範な情報交流を展開する。

 3.第3次産業の中小企業(サービス、観光、貿易およびIT産業)

  A.日本の経済構造を見れば、サービス産業が国民総生産額の60%を占め、協力できる空間も多く、様々なレベルの企業も参加協力できる。日本のハイテクの人材は不足しており、かつ労働力コストは我が国の510倍である。観光市場としてみれば、省外からの観光客が60%以上を占めている。サービスの分野でも、宿泊、飲食及び個別の零細企業以外、物流、仲介、留学(直接日本の私立、公立大学へ入学する)はまだまだ隙間があり、可能性のある分野は多い。

  B.問題点

   @計画経済体制の習慣により、各仲介、情報、コンサルティングのサービス意識が薄く、レベルも高くなく、人材も乏しい。

   A現在、サービスと貿易業に関する政策、法律が不透明であり、比較的制限が多い。

   B開発研究やIT企業の規模が小さく、同業種での争いが熾烈で、規模的にもレベル的にも整った実力をつけるのが難しく、対外的な協力体制の構築に影響している。

   C日本語の人材が不足しており、直接日本の情報を得るのが難しい。

  C.問題解決に向けての提言

   @サービスと貿易の分野では、対外開放に向けての一次システムの研究を進め、対外開放の重点を物流、仲介、情報、コンサルティング、法律サービス、会計士、税理士事務所などに定める。

   Aサービスと貿易の分野の透明度を増し、政策と協力を奨励する分野を公示する。

   B大連のビジネスマン育成のための日本語訓練とその能力測定センタープロジェクトを実行する。

   C広大な日本IT産業の中小企業(ベンチャー企業)と協力し、相互連携し、人材と市場優位性を有する互恵的基盤の上で、緊密な協力関係を発展させるとともに、優良企業と優れた人材を日本IT産業の開発研究に参画させることを推進する。

   D当省の通訳情報コンサルティングセンターを早期に設置し、第一に通訳と情報から着手し、多くの情報を提供するサービスを行う。第二は、対外的な宣伝を拡大し、我が省の対外誘致の新たな分野での政策の透明度を増す。

   E教育分野の開放レベルを引き上げ、日本の各種大学とのダイレクトな交流を奨励し、更に多くの高校卒業生が日本の大学へ留学する機会を作り、人材の育成を急ぐ。

  D.機会

   @7月の日本週間の期間に行われる中日ソフトの商談会

   A10月の遼寧省、神奈川県、京畿道三省県道友好交流会議の際、中小企業協力をテーマとする。

   B日本の山九株式会社等を招請して、物流分野の専門分野の協力について研究する。

三、中小企業のサービス向上に向けての建議

@中小企業のための対外誘致サービス(情報・コンサルティング等)体制を早期に確立させる。

A中小企業、ベンチャー企業の国内政策を完備する。

 B日本の経済産業省中小企業庁との連携を図り、政府・民間が共同で中小企業協力体制を押し進める。

 C友好都市等の関係をルートとし、中小企業の協力を地方政府として、交流課題の一つとして位置づける。

 D日本の中小企業専門家を我が省に招聘し、日本の中小企業の発展の歴史、現状および相互の助け合い政策について、講義をしてもらう。

 E中小企業(民営企業)のメンバーが、私用パスポートで日本を訪問、視察、ビジネス活動をするためのビザ発給を可能にするべく、日本駐瀋陽総領事館と良好な関係を作る。


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