東西南北にある塔
 
 故宮を中心に東西南北にある4つの塔は、ラマ教の塔です。ヌルハチやホンタイジは、明との対抗上チベット仏教の影響下にあった蒙古との連携に意を用いました。太宗ホンタイジは、チベットから来たラマ教の高僧が「都の四方に塔を建てると世界を征服できる」という言に従って、1643年にその建設に着手しましたが、その死後に、この予言が的中したのか1644年には、北京に遷都し、その翌年に塔のある寺は完成しました。この予言に基づいて4塔が出来たことについては案内書・説明文に一切書かれていません。

 雍正帝(在位1723〜1735)は、根は禅学でありましたが即位したときに、親王時代の土地をラマ教の寺に寄付をしました。また乾隆帝(在位1735〜1795)は儒教思想の持ち主でしたがその土地にラマ寺を寄進しております。これが北京の故宮の西北にある雍和宮であります。政策的配慮によるものもありますが、この時代までラマ教の信仰は残っていました。