支援ネットNEWS no1
裁判で止めよう、ダイオキシン汚染

                    能勢ダイオキシン訴訟原告 宮部幸一


 秋が一日一日と深まって参りました今日このごろ、皆様の日頃のご活躍に敬意を表します。

 このたび、「能勢ダイオキシン裁判支援ネットワーク」の発足(7月31日)、設立総会に際しまして、弁護団の先生をはじめ各団体の世話人会、事務局、そして設立の趣旨に対するご理解を得た皆様に、深く感謝し心から御礼申し上げます。

 さて私は、平成4年9月、第二の就職にハローワーク(職安)の紹介で、豊能郡美化センターに入社しましたその理由は、作業は安全、環境、衛生ともに抜群ですよと、その言葉、一言で決めました。

 しかし、聞くと、見るとは大違いでした。異臭、すごいほこり、工場内の火熱(60度以上)で一年中汗だくで、身体の疲労が一番でした。また、食事は食堂と更衣室が兼用で、ほこりの中で取っていました。それで病気にならないのが不思議です。

そうした中での作業(焼却炉運転、クレーン操作等)を、作業マニュアル等、上部の指示通り実施して参りました結果、このダイオキシン汚染に冒されました。またその後、日立造船の除去作業に、安全に安全を期して、作業に従事した労働者のダイオキシン数値には、驚きを通り越して怒りがこみあがり、如何にも焼却施設等、欠陥施設である証明ではありませんか。

 我々のダイオキシン汚染は、決して私たちだけの問題ではありません。広く全国民がダイオキシン汚染の恐ろしさを、もっと認識していただきたいと思います。

 私達、原告団はダイオキシン被曝労働者の健康と、消費者や住民にとっての食の安全を求める裁判でもあります。最高濃度のダイオキシン汚染された事態の責任は、国がダイオキシン汚染を知りながら、何の対策もとらなかったことも要因であります。

 我々が先頭に立って、その責任を明らかにさすまで、私達、最後まで闘い抜く覚悟でございます。どうか「能勢ダイオキシン裁判支援ネットワーク」の目的達成を目指し、共に頑張りますので、ご支援をよろしくお願い申しあげます。

能勢ダイオキシン裁判の概要と主な争点

                          (弁護団・中島)

 

Q:原告の皆さんはこの裁判で何を訴えようとしているのですか?

 

A:主として次の3点です。

@高濃度のダイオキシンに曝露し、ガンやクロルアクネ(塩素ニキビ)を発  症したり、今後、さまざまな疾病を発症する高いリスクを負わされてしまった焼却場労働者の健康被害の救済。

 

Aごみ焼却から発生する大量のダイオキシンの危険性について十分これを知  り、または知り得ながら、諸外国に比較して大きく規制に遅れをとったごみ焼却大国かつダイオキシン排出大国日本の、国および地方自治体の行政の責任を問うこと。

 

B大量のダイオキシンを発生し、拡散させた焼却炉を設置、運営していた三井造船等に対して、徹底した排出責任者としての責任を問うこと。

 

 

Q:被告は誰ですか?

 

A:次の6者です。

@国(厚生省と労働省)

A大阪府

B豊能郡環境施設組合

 1986(S61)年に大阪府豊能郡の能勢町と豊能町の2町が、一般廃棄物の処理施設である美化センターを設置運営することを目的に結成した一部事務組 合(特別地方公共団体)です。

C三井造船株式会社

 美化センターに焼却施設を建設し、焼却炉の運転管理や技術指導を行っていた焼却炉製造メーカーです。

D三造環境エンジニアリング株式会社

 三井造船の100%子会社で、美化センターの運転管理を施設組合から委託されていました。

E丸川工業株式会社

 三造環境エンジニアリング等の下請けとして、原告らを雇用していました。

Q:この裁判ではどこが争点になっていますか?

 

A:主な争点は次の4点です

@被告らに焼却施設労働者への健康影響についての予見可能性があったか。

 *被告らの責任の前提として、被告らが焼却施設労働者に対して、ダイオキシン類による健康影響があると認識し、または予見可能であったことが必要です。

 

A被告国・大阪府が焼却施設労働者の健康影響防止のために適切な規制権限を行使しなかったといえるか。

 *被告国・大阪府の違法を認めるためには、被告国・大阪府に一定の規制権限に基づく権限行使義務があったのに、これを行使しなかったということが必要です。

 

B原告らの発病(ガン・クロルアクネ)と原告らの業務に因果関係があるか。

 *発病が認められる原告については、発病と業務との因果関係が問題となります。

 

C原告らが高濃度のダイオキシン類を体内に蓄積したことそのものが「被害」といえるか。

 *発症が認められない原告については、「損害」の内容が問題になります。

 


これまでの裁判の経過

1999年12月24日に大阪地裁に提訴

訴状の全文は下記のホームページアドレスで見ることができます。

http://www.mmjp.or.jp/machi/index-nose.html

 

第1回裁判  2000年3月9日 

       原告団の畑中克夫さんが意見陳述 斉藤浩弁護士からの意見陳述

       各被告が答弁書提出

第2回裁判  5月15日

       国から準備書面陳述と、国・大阪府から求釈明がなされた

第3回裁判  7月31日

       竹岡光夫さんの本人尋問 原告から求釈明に対する準備書面

第4回裁判  10月2日

        国・大阪府から準備書面


 傍聴支援をお願いします>

 ◆次回の裁判は12月11日午後1時15分  大阪地裁202号法廷

 裁判終了後、報告会を開催
 

 

「能勢ダイオキシン裁判支援ネットワーク」は、たくさんの団体や個人の方々が呼びかけ人となって7月31日に設立されました。今後この通信で各団体の活動内容を紹介していきます。今回は、おおさかパルコープの有志の方々が作られた、「ダイオキシン裁判から学び支援する・パルコープ有志の会」です。現在100名以上のネットワーク会員を組織して支援を頂いています。今回その呼びかけ文をご紹介します。


「ダイオキシン」。それは現在地球上でもっとも危険な化学物質といわれており、私たちの街、「大阪」の能勢町にあるゴミ焼却施設で高濃度のダイオキシンが検出され、全国的な話題となったことは記憶に新しいところと思います。背景には、諸外国に比べても遅れた日本のダイオキシン規制などがあり、次代のためにもダイオキシン問題は環境問題を考え取り組む上で重要な位置を占めています。前述しました能勢町のダイオキシン問題は、住民訴訟や、労災裁判が行われており、また事後処理にかかわった労働者がまたもや、高濃度のダイオキシンに被曝するなど、問題は二重三重に進展しています。この問題に関すしてすすめられている労災訴訟を支援する組織(「能勢ダイオキシン裁判支援ネットワーク」)が今年7月31日に結成され、広く参加と支援が呼びかけられています。この問題を切り口として、更に環境問題への思いと行動を前進させていこうと、私たちパルコープで活動する組合員有志で支援に関わる組織をつくる事としました。
 

 

◆ぜひ能勢ダイオキシン裁判支援ネットワークにご支援を◆

ダイオキシン労災訴訟を広範な方々と運動を展開していきたいと考えています。

「支援ネットワーク」は、年会費1000円です。資料や規約などのお問い合わせは事務局まで御連絡ください。カンパも大歓迎です。 郵便振替 00990−6−14818     大阪府豊能郡能勢町森上155−9   TEL/FAX 0727−34−4012