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「お年寄りの力、環境の力〜誰のための施設?」

目からウロコの介護論(2)お年寄りの力、環境の力


〜誰のための施設?〜


大阪市ケアのあり方研究会編
A5判 70ページ
定価864円(税込み)
ISBN978-4-88720-560-4
2008年9月1日初版第1刷発行注文する


【内容紹介】

2006年9月に行われた大阪市ケアのあり方研究会の第2回研修会の講演録。講師は、大阪市立大学大学院生活科学研究科の三浦研さん。
グループホーム、新型特養の施策化前後から、介護現場における「空間の介護力」または「環境の介護力」という議論が登場してきた。病院のような無機質な環境では、お年寄りの生活環境を整えることは不可能であるだけでなく、逆に痴呆や廃用性症候群を誘発する原因となっているとの批判を受けての議論である。お年寄り個々の生活環境の継続が保障される施設環境であるなら、お年寄りの生活の再構築が行いやすいのではないか、と言われ始めた。
本書の議論は、お年寄りの施設内生活の改善のために空間や環境をどのように変えていけばいいのか、そのヒントを例示することが主であるが、その背景にはその空間を環境づくりの「主体者としての職員」を見据えており、空間・環境の変化とは、職員の意識の変化と、職員とお年寄りの関係の変化が前提であることが暗示されている。また、ここで言う空間・生活の中には、施設の外の空間――地域・社会も含まれている。
本書の流れとしては、老健から毎日徒歩でサテライトデイに通いながら、地域に出て行く事例を紹介し、その中でお年寄りがどう変化していったのか、その変化の源泉とは何かを説明することから始めている。お年寄りと空間・ものとの距離感と、その距離感(関係性)から生じる「空間の柔らかさ」に着目し、「環境を捉える介護的視点」を概略して、これまでの施設環境と施設の改造事例を説明しながら、明日からでも取り組める環境改善のヒントと捉え方を説明している。

【目次】

第1章 日中、施設から歩いてまちに出る〜広島県庄原市・愛生苑の取り組みから
昼間の居場所をなんとかしたい/「お出かけプロジェクト」の概要/実施前にいろんな準備を進める/お年寄りの「群れ」ができる/自分のためにお茶を飲み、ごはんを作って食べる/「地域から施設・家に戻る」ことの重要性〜「帰ってきた」の感覚/お年寄りが自然に変わっていく〜民家という「環境の力」/母体施設とお出かけ基地の間の職員の動きの変化/お出かけ基地での「環境の力」と「お年寄り自身の力」
第2章 環境づくりに必要な視点〜お年寄りが居続けることができる条件を考える
空間的居場所と人為的居場所/施設での人為的居場所の担い手は職員/「かたい」イメージと「やわらかい」イメージ/なぜ「かたい−やわらかい」と感じるのか/見極めの視点@〜「関係性の有無」/見極めの視点A〜「雰囲気の違い」/見極めの視点B〜「姿勢の違い」/施設の環境をつくる〜環境をつくる前/施設の環境をつくる〜環境をつくった後/「2拍子の生活」からの脱却のために
第3章 民家に近い環境での介護とは〜「居合わせる」視点から宅老所の介護を考える
床の使い方に鍵がある/逆デイサービスでのお年寄りの居方/宅老所が「家庭的」である要因とは
第4章 施設での環境づくりのヒント〜「床」「天井」「照明」「心遣い」
三浦研究室の改造事例/施設の空間的な問題は床と天井/居場所づくりの工夫/見通しのよすぎる廊下を工夫する/改修による雰囲気の違いを確認する/もう一歩すすんで環境づくりに取り組む
補論 コミュニケーションを促す共感環境〜お年寄りとの会話の「舞台」を点検する視点
忙しさだけが会話できない理由ではない/環境要素を共有できるお年寄りと職員との位置関係/見えない話題と見える話題・感じる話題/「伝えたいこと」を用意することから始めよう
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